ねころんブログ
猫と腎臓病のおはなし(特に雄ねこ・老ねこ)
猫の健康のこと: 2017/01/21
こんにちは、ねこ生活アドバイザーのかばきみなこです。
ここ数年、長生きの猫ちゃん達のお話を聞く機会がとても増えましたね。
そうするとやっぱり気になってくるのは、「老猫の病気」のことです。
わが家も16歳、14歳と高齢期に差し掛かった老猫が2匹。
今までは健康優良児だったこの子達も、少しずつ体調の変化が見え始めています。
16歳の子の方は、昨年の秋に腎臓病の診断が出て、治療がスタートしました。
現状維持をする為に投薬、皮下点滴も自宅で始まりました。
この「猫の腎臓病」というもの。
長生きの猫ちゃん達の多くが発症し、猫のかかりやすい病気ランキングの上位に入ります。
というのも、猫はもともと水をあまり飲まない動物と言われており、
腎臓で濃縮した尿を作るのに時間がかかります。
だから高齢になればなるほど負担がかかりやすく、腎臓病になる可能性が高くなるのです。
そして猫の腎臓病についてはたくさんの情報がネット上、書籍で紹介されています。
ただ、実際に大切なのは、
「変化にいち早く気づいてあげること」。
そして腎臓病になってしまった猫への
「その後のサポート」です。
私も思い返せば、一昨年の夏に17歳でお空に昇ったわが家の長男猫のこじろうも重度の腎臓病でした。
こじろうの変化に気づいたのはもう、かなり病状が進んでしまっていたので、
当時私は、体調の小さな変化をいったいどれだけ見逃したのだろうと、
自分の無力さを責めました。
でも、その時、担当の獣医さんに
「腎臓病は腎臓の機能の75パーセントが働かなくなって初めて数値として表れます。
なかなか気づきにくい病気なので、ご自分を責めず、今できる事をして行きましょう」
と、励まされ、ハッとし、治療方針と向き合う事が出来ました。
それでも、当初は知識が無いばかりに、いろいろと勘違いをしていました。
・病気ではなく、単に食欲が落ちたせいで痩せてきた、と思い込んでいた事
・おしっこの量が増えたのは老廃物が体外に出て、結石や膀胱炎には良いと思っていた事
今振り返ってみると、これらは腎臓病の前兆です。
ほんの少し、もう少し、当時の私に腎臓病の知識があれば、
出きる事はいろいろありました。早く気づけていればで、もっと長生きしてもらえたのでは・・・と、今でも思います。
そんな後悔もしながら、いろいろと勉強しました。
悔やんでもこじろうの病気が良くなるわけでは無いし、
今後こじろうの苦痛を少しでも和らげる為にできる事を探し続けました。
例えば、お水。
猫の腎臓病では、水分の補給が大切になってきます。
退院後はお水が飲みやすいように様々な飲水器も試しました。
もともと水道の蛇口から流れるお水が好きだったので、流水タイプの飲水器や
猫がお水をよく飲む!!という触れ込みの陶器製の飲水器もすぐに購入しました。
なかなか自力でフードに口をつけないこじろうに、水分が多く、薬も入れたウェットフードを
夫と強制給餌という形にはなりましたが、朝夕毎日、2年7ヶ月続けました。
そのおかげか、腎臓病発症時4.3キロだった体重約6キロ近くまで回復。
それ以外にも、できるだけ通院の回数を減らし、精神的ストレスを減らしました。
キャリーに入れて、車で約15分、病院の待合室で30分以上の待機、
このストレス回避の為に、補液は自宅点滴に早々に切替え、定期検査や診察も担当獣医さんと
電話でこまめに連絡を取り、何か小さな変化が出た時はすぐに診察に行く事にし、
状態が安定している時は通院を一次中断もしました。
そして、夫ととにかくこじろうのストレスになる事は極力止めて、大好きなお家での時間を
増やす事を決めました。
こうした「その後のフォロー」の積み重ねのせいか、
担当の獣医さんが良い意味で驚く程、症状が安定してくれました。
その事が本当に嬉しかったの覚えています。
病気を治すのは獣医さんだけの力ではありません。
むしろ、飼い主の皆さんの力がとても大きいのです。
大切なわが子(猫)の心のケアが出来るのは、親であり、パートナーである
飼い主さんだけなのです。
病院で突然重病を獣医さんから告げられたら、パニックになり、不安になるのは
みんな同じです。私もそうでした。恥ずかしさも忘れ、病院で泣きました。
でも、愛しいわが子(猫)を初めて迎えた日に、一生大切にし、添い遂げると
心に決めた事を思い出したら、これが私の責任なんだという思いに変わりました。
この子に寄り添い、最後までこの子が安心して暮らせる日々。
日常の当たり前の事を、最後まで続けていく事が私達の出来る事、
私達にしか出来ない事なのです。
辛くて泣いちゃう日があったって良いじゃないですか!!
涙流せばまた前を向ける事、たくさんあります。
でも、愛しいわが子(猫)は賢い子が多いです、泣く時はなるべく気づかれないように…
私は、トイレやお風呂場で良く泣きました(笑)
そして今、わが家は16歳の次男猫ちぃちぃも、腎臓病闘病中。
経験があったおかげで、今回は「変化にいち早く気づいてあげること」ができましたので、
治療も軽めの治療からスタート出来ました。
そして、そして腎臓病になってしまった猫への「その後のサポート」も、
前回同様、通院も最小限に抑え、ストレスフリーの時間を多く取ろうと思います。
予防食をこまめに、自力で食べてくれるのが助かるし、とても嬉しい日々です。
知識があれば、こんな風に前向きにもなれるのですね。
猫と一緒に腎臓病と向き合い、気長に付き合って行きたいと思います。
もし老猫の病気のことでお悩みの方がいましたら、ご遠慮なくご相談くださいね。